飛行機に乗り込むと、我々だけが「ニイハオ」と挨拶をされた。前後の人には「コンニチワ」なのに。

食事の時、入国書類の時、最後に自ら説明するまで我々が日本人だということを分かってくれなかった。

日本に到着するまでは、ただ呆然と何も考えずに、雲と夕焼けばかりを見続けていた。

成田に到着して最初に目に飛び込んできたのは、「おかえりなさい」のひらがなだった。まるっこい自体だった。

こんなにも日本を愛おしく思ったのは、この瞬間が初めてだった。日本語はなんて可愛らしく美しいのだろう。

広告の色使いにしても、美しくないものは無い。まるで絵本を見ているように優しかった。慰められているようにも思えた。

中国人は、顔は似ていても全く別の人種なのだ。感性も物事の進め方も、日本人の発想からは予測ができない。

でも、こんな日本も、昔は戦争をし、中国を占領した。人間は変わるものだ。

日本は、古い時代に中国から「漢字」を取り入れ、そこから独自の「かな」を生み出し、漢字の美しさを守り続けた。

中国は、日常的に文字を使うことにより、不要な部分は排除され、徐々に文字そのものをアンバランスに崩していった。

今、自分がアーティストとして出来ること、やるべきことがある、と感じた。

この日本の美意識がすなわち日本の文化なのだということに気づき、新しい文化を創り、継承していくことである。

そんな意識もなく自然にそのことを行ったオープニングパーティーを思い起こし、また嬉しく思った。

21:40、成田到着。